電磁波と健康被害について

コロナ禍で私たちの生活は大きく変わりました。通信の発達でテレワークやオンライン学習などで人との接触を軽減することはできました。しかし、以前よりも更に日常的に電磁波に曝されています。電磁波による頭痛・めまい・耳鳴りなどを始めとする体調不良や日常生活の維持ができないなどの健康被害が増大しないか?改めて電磁波と健康被害について、これまでの海老名ネットの取り組みから考えます。

海老名ネットでは電磁波の学習会、電磁調理器など家電製品の電磁波計測などを市民とともに進めてきました。2011年5月にはWHOの国際ガン研究機関IARCが携帯電話の電磁波の発がん性を5段階の3段階2bと評価し、可能性があることを示唆しました。特に、細胞分裂の盛んな子どもたちの体へ電磁波が与える影響は対策措置が必要なことがわかりました。欧米諸国では子どもへの電磁波曝露量を減らすことを政府指導で進めていますが、日本政府は国際基準に基づいた電波防護指針だから問題ないとしています。

2011年から市内杉久保の「携帯基地局による健康被害を考える会」に参加しました。周辺住民の健康被害により、市議会へ携帯基地局設置に関する条例の制定を請願しました。科学的根拠に基づく因果関係が認められない、ITによる生活の利便性を甘受している現状を優先し、議会の理解は得られず、条例制定には至りませんでした。
2019年6月には、NPO法人市民科学研究所上田昌文さんを講師に電磁波の学習会を開催。大容量で超高速の5Gは、基地局が至るところに設置され強い電磁波に人々が曝されることになることから、健康被害が一層甚大になることがわかりました。

日本ではオリンピックに向けて5Gは推進されていますが、ベルギー、オランダ、スイス等では健康被害を考えて導入を禁止しています。経済よりも国民の健康優先の政策にすべきです。電磁波の健康被害は科学的証明がなされていないとの視点では、国民がモルモットにされます。疑わしきは使用せずの予防原則の視点が必要です。私達は、食品の安全、健康、環境問題などは、科学的な因果関係が十分証明されない状況でも、規制処置を可能にする予防原則に則った施策を提案していきます。今後も学習の場を設け大勢の市民と情報を共有して、健全な市民生活が送れるよう努めていきます。