次世代へ平和を語り継ぐ
壁いっぱいの「キッズゲルニカ」の大きな絵(3.5m×7.8m)。美術教師時代に相模原市の中学生たちの制作を指導した飯島公子さんが、描くまでの平和学習について語られ、生徒たちの「平和な未来にしよう」との思いが伝わってきました。父親が出兵する時に所持していた「千人針」・「日章旗」が展示され、その当時の状況を聞き取った三谷裕美子さんの語りで、本当に戦争があった事を実感しました。胸に住所・氏名と血液型の名札を張り付けた防空頭巾を被ったモンペ姿の和ちゃん人形が参加者の座席を回り、製作者の飯田寿枝さんから横浜大空襲を逃げ回ったお話をお聞きし、当時は緊張した毎日だったことがわかりました。
49歳の三部孝子さんは、実母から聞いた東京大空襲で命からがら逃げた「母の戦争体験」を自分ごととして語りました。水本昌子さんは4歳の時に疎開先の福島で終戦を迎えたことを、戦前・戦後の日本と世界の動きを交えて「母たちから聞いたこととほんの少し記憶していること」と題して語りました。
8月23日、海老名市文化会館120サロンで15回目の平和集会「平和ってなんだろう ~戦争体験を聞いて考えよう」を開催しました。「聞いて、見て、触って」平和について考えるきっかけづくりを生活クラブ生協海老名コモンズや親子劇場会員と共に企画しました。小中学生・子育て世代・戦争体験者など様々な人が68名集まりました。戦後生まれが人口の9割を占め、戦争体験者から直接聞くことが難しくなりました。今回は体験者から聴き取り、それを自分のこととして語る語り部や展示品の紹介で当事者性をもって戦争について考えることができました。戦争によって二度と生きる権利が奪れないように、今後も様々な人々と多様な取り組みをして次世代へ平和を繋いでいきます。
*キッズゲルニカ:ピカソの反戦絵画『ゲルニカ』と同寸のキャンパスに子どもたちが平和の絵を描くという国際的なアートプロジェクト。