「石川真生 私に何ができるか」写真展 から考える

新宿の東京オペラシティアートギャラリーにおいて「石川真生(いしかわまお)私に何ができるか」写真展を12月22日に平和部会の活動として観に行きました。

沖縄県生まれ沖縄を拠点に活動している写真家の石川真生さんは、「自分たちは、日本人なんだろうか?沖縄は、日本の国なんだろうか?」と思ったことが写真家になるきっかけとあります。作品166点の写真は受け付で解説本を受け取り読みながら拝観しました。「私は、人間が好きだ」と公言しており、沖縄の人々の日常や人々が置かれている状況を収めた写真展で、特に「日の丸を視る目」(2011年未來社から写真集出版)のシリーズは、強いメッセージを感じました。

沖縄は、太平洋戦争で本土決戦の捨て石とされ、唯一地獄の地上戦を経験しています。県民の1/4が犠牲となりその多くは民間人でした。1972年5月沖縄本土復帰となりましたが、日本の米軍基地の7割は未だに沖縄に集中しています。爆音、航空機事故や機体部品の落下、性犯罪や殺人など深刻な被害が後を絶たず危険と不安の中で暮らしています。近年台湾有事に備えて宮古島や石垣島、与那国島などにミサイル基地や弾薬庫、陸上自衛隊訓練場が建設され平穏な暮らしが一変しています。また普天間基地移設先の辺野古基地建設に県民は反対しましたが、国は受け入れず工事を強行しました。

このような状況から住民は、本土の砦、捨て石としてまた戦争の激戦地になるのではとの危機感に脅かされていることが分かりました。写真展は、沖縄や周辺の島々の住民が置かれている状況と不条理な思いを本土の多くの人々に知ってほしいと訴えているように感じました。私たちは日本が戦争のできる国になりつつある現実を知り、戦争にならないようにするにはどうしたらよいのか?本土の私たちに託されています。私たちにできることは何だろう。 斉藤