学徒出陣 自死した兄よ~弟が語るあの時代~(7/11平和の集い報告)

市民発・平和の会主催「戦争体験を聞いて平和について考えよう」が開催された。語り部は、横浜市在住の寺尾絢彦さん。

寺尾さんの長兄(のぶ)()さんは、大正12年生まれ。6歳で満州事変、12歳で日中戦争、18歳で日本がアメリカに宣戦布告と、戦争に包まれて生きた。学生時代には、音楽、絵画をこよなく愛し、19歳で静岡の国民学校の代用教員となった。教え子たちに外国の音楽を聞かせ、「軍靴の音は大嫌いだ」と話していたと言う。軍部への批判、平和への希求は大きなものだったと察せられる。出征直前に薬を飲み自死した。

人を殺し、殺される戦争に何の意味があるのか、自由を奪われ生き難くなった薫治さんは、戦争に行くことに死をもって拒否した。母は、息子を人殺しにしなくて良かったと自分を納得させていたと言う。「戦争はどんな理由があろうと、決してしてはならない」寺尾さんのメッセージは参加者とともにしっかりと受け止めた。(三谷)