知られざる議員年金の仕組み

地方議員年金制度は「平成の大合併」などで議員数が減ったことにより財政が破綻し、2011年に廃止になりました。しかし、当時議員だった者の受給資格が残されたため、年金給付に必要な費用は各自治体が現在も負担しています。受給資格者がいなくなり、年金給付が終了となるまでには廃止から60年間を要し、その費用負担は1兆3600億円と試算されています。

ところが地方議員の年金制度にかわる新たな制度として、全国都道府県議会議長会へ「被用者年金制度への加入について」の要望が提出され、24道府県議会で可決。市民においては、不安定で低賃金である非正規雇用が拡大し、生活の安心を得られないなか、「議員のなり手不足解消」や「安心して議員活動に専念するため」などの理由で、議員の老後のためにさらなる公費の投入を求めることは甚だ疑問です。議員の働き方は常勤ではなく、一般労働者と同様の被用者年金制度への加入はふさわしくない。さらに「被用者年金制度への加入」では、掛け金の半額を支払う自治体の負担が毎年さらに170億円増えると試算されています。国民年金の充実より、議員の老後の保障が優先されることは、市民の理解を得られないばかりか、昨今頻繁に報道されている政務活動費の不適切使用に対する批判に加え、さらに政治への不信感を招きかねません。神奈川ネットワーク運動では、速やかに撤回されることを強く要望し、抗議します。(参考:神奈川ネットHP:http://kanagawanet.org/)