3月は女性月間、3月8日は国際女性デー
イタリアではミモザ、日本では梅や桃が咲く、冬から春へ新しい命が芽吹く3月8日を国連が1975年に「国際女性デー」と制定しました。1904年ニューヨーク婦人参政権デモを起源として、女性の地位向上を目指しています。制定から50年近く経ち、その目的は果たされているのでしょうか?現在の立ち位置を考えてみました。
3月8日の朝日新聞には「単身高齢女性の4割は貧困(相対的貧困率44.1%)」と大きくとりあげていました。今の社会でほとんどの人が享受する暮らしを送れていない状況だということです。それまで女性の生きてきた社会がいかに男性中心・家父長的通念の社会であったかを表しています。
日本の大学進学率は男子が56.6%、女子は50.7%(2019年)、「女性は大学まで行かなくてもいいという」社会通念です。就職しても男女の賃金格差は大きく、社員301人以上の会社では男性賃金を100とすると女性は75.2%(2021年)。そして結婚する時の氏の選択では男性氏を選択するカップルが95.5%(2019年)。6歳未満の子どもがいる夫婦では、夫が家事や育児に費やす時間が1日当たり約1時間23分、妻は約7時間34分と夫が家事・育児に費やす時間は妻の1/5です。「家事・育児は女性がすべきだ。」という価値観が根強く、ママだけの「ワンオペ育児」となり、過剰な家事育児の負担が女性の社会進出を遅らせています。こうした結果が、年金額の差になり高齢女性の4割超を貧困状況に陥らせているのではないでしょうか?
2024年3月8日、海老名駅前で意志ある女性たちのアピール行動が有りました。子育て世代からシニア世代まで16人。ミモザを片手に今、言いたいことをプラカードで、マイクで表しました。五ノ井里奈さんは自衛隊の性的被害を実名で告発し「国際勇気ある女性賞」を受賞しました。そして市民連合が生きづらさを抱える女性たちの架け橋となる「フェミブリッジ(フェミニスト+ブリッジ)」を立ち上げ、女性の声で政治を変えようとアクションを起こしています。日本国憲法13条は個人の尊重、14条は法の下の平等を謳っています。社会の基本は家族ではなく個人です。一人ひとりがその人らしく生きることのできる共生社会にしていくこと、政治の現場へ更なる女性の進出が望まれます。