ホロコースト記念館を訪ねて
5月16日(木)、平和部会で広島県福山市にあるホロコースト記念館を訪ねました。
福山駅からタクシーで15分のところにあり、玄関前の広場には、アンネが隠れ家から眺めていたマロニエの木(子孫の木)が青葉を茂らせていました。
ホロコースト記念館は、オットー・フランク(アンネ・フランクの父)と記念館設立者となった大塚信さんが出会いオットー・フランクの平和への思いに感銘を受け記念館を設立1995年に開館となりました。
ホロコーストは、ヒトラーが率いたナチス・ドイツ時代(1933年~1945年)にユダヤ人であるというだけの理由で差別や迫害を受け600万人のユダヤ人が大量虐殺(ホロコースト)されました。その中には、アンネ・フランクを含む150万人もの子ども達が含まれていました。子ども達の未来や夢や希望が無惨にも絶たれてしまいました。
館内には、ホロコーストの歴史的な経緯や実相に加え、アンネがオランダの隠れ家での暮らし(アンネの部屋や日記を再現)、フランク家で使用されていた食器やタイプライター(アンネの日記の出版に使用)、強制収容所(アウシュヴィッツ、ビルケナウ)の展示など、またユダヤ難民が迫害や虐殺から逃れるために命がけで救済に協力した「命のヴィザ」を発給した日本の外交官杉原千畝さんを始め、沢山の人々が様々な方法により命がけで救済に関わっていたことを知りました。
アンネ・フランクの家族では、アウシュビッツから唯一生還できた父オットー・フランクが、「アンネ達の死にただ同情するだけでなく平和を作るために何かをする人になってください。」との思いを語っています。
ホロコーストの学びは、過去の歴史や事実を学ぶだけでなく、現代の私達にとっても「人種や民族差別、憎しみ、偏見、いじめ、無関心、沈黙や傍観者など」無関係ではないテーマや教訓です。人間の尊厳が軽んじられる時代にならないよう、平和は与えられるものではなく平和であり続けられるように努力が必要です。
日本を取り巻く状況が年々平和から遠ざかっているように感じますが未来への夢や希望をつなぐためにも、一人ひとりが平和に関心を持つことの大切さを、働きかけていきたいと思います。