国が招いている!  介護保険制度の崩壊の危機 ! ! 

8/3(土)山梨民主医療機関連合会主催の「どうする!どうなる!介護保険」の上野千鶴子さんの講演会、9/25(水)小竹雅子さんの介護保険制度の学習会をそれぞれリモート参加しました。

2000年から始まった介護保険制度は、「高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み」として①高齢者の身の回りの世話や自立を支援する ②保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる ③給付と負担の関係が明確な社会保険方式とすることを掲げ3年ごとに制度の見直しがされてきました。

しかし、2024年4月の制度改正により訪問介護の基本報酬の引き下げは、全国の小規模介護事業所の経営悪化を招き、廃業が過去最高を更新する深刻な事態となっています。

介護職の報酬が全産業の賃金平均と7万円も差があり仕事内容と見合っていない低さだと言わざるを得ません。小規模介護事業所は、2020年からの新型コロナ感染拡大で利用が著しく低迷したうえ追い打ちをかける今回の訪問介護の基本報酬の引き下げは、経営悪化や経営危機に追い込まれている事業所が多いことが分かりました。介護職に意欲があっても賃金の低さには勝てず、新たな人材確保には繋がらないうえ携わるメンバーの高齢化も問題になっています。

なお介護保険制度は、サービス(給付)と市区町村事業(地域支援)総合事業を提供しています。

2015年の制度改正では要支援1、2の認定者は、これまでのような全国一律の通所サービス(デイサービス)と訪問介護の給付の対象から外れ、総合事業の介護予防、生活支援へと移行になりました。

更に危惧されることは、2027年改正を待たず「要介護1、2(認知症も含む)の認定者を給付から外し総合事業に移行」や「介護利用料の2割負担者の拡大」「ケアマネージメントの有料化」「福祉用具の買い取り」などが検討されていることです。

そのことは、高齢者が安心して生活できる制度から大きくかけ離れ、介護保険料を支払ってもサービスが受けられないことになり、介護保険制度の崩壊につながりかねません。介護保険制度の理念に立ち経済格差に関係なく誰でも、安心して老後が送れるように現場の声が反映される制度改善を求めます。

国費は国民生活を支えるところにこそ手厚くすることを強く要望していきます。そのため「介護保険制度の抜本改善、介護従事者の処遇改善を求める請願署名」を国に求める署名(全日本民医連など取り扱い団体)に賛同して10月末まで署名活動を行っていきます。 (斉藤)