使える介護保険へ
11月14日小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰)による学習会を開催しました。
日本は2018年全都道府県が高齢化率21%を超え、5人に1人が65歳以上の超高齢社会に突入しました。
介護保険制度は2025年団塊の世代がすべて後期高齢者(75才)になることを受けて、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、2000年からスタートし3年ごと制度の改定がされてきました。
介護保険の認定は、要支援1・2と要介護1~5まであり数字が大きいほど支援や介護がより必要となります。
当初の介護保険制度は、介護認定者が介護保険の支援の対象者として1割負担で家事介護やデイサービスなどが受けられる制度でした。
しかし現在は介護認定者の要支援1・2の人は、介護保険支援の原則1割負担での家事介護やデイサービスが使えず、市区町村の*地域支援事業の対象者としてのサービスになります。地域支援事業サービスの内容は、市区町村ごとに財源や施策によりに同じではありません。
更に2027年制度改定で検討されていることは、介護認定者の要介護1・2(認知症も混在)の人までも、介護保険の原則1割負担で家事介護やデイサービスが使えず、市区町村の*地域支援事業サービスの対象者となります。介護保険の対象者は現在の原則1割負担から原則2割負担へ、福祉用具の買い取り選択やケアプランの有料化など高い介護保険料を支払っても、介護サービスが受けづらい制度への改定となることが危惧されます。
高齢者の介護を「社会全体で支え合う」目的が「家族の介護に頼る」方向に向かっているとしか考えられず、何のための介護保険制度でしょうか?
全国で介護や看護のための離職者は約10万人に及び、離職者の老後の年金受給額への影響や労働人口不足への影響、介護虐待など深刻な問題です。利用できない介護保険制度では、更に離職者は増え続けるでしょう。団塊の世代が後期高齢者となり、今後益々介護保険制度の充実が必要な時です。税金の投入を大幅に増やし、誰もが安心して地域で暮らしていける介護保険制度の充実を求めていきます。(斉藤)
*地域支援事業…介護予防・日常生活支援総合事業