2025年 介護フォーラム「介護保険を立て直す!」に参加
7/12(土)「介護の崩壊をさせない実行委員会」主催の「介護フォーラム」に参加した。
介護保険制度は、介護を社会全体で支え合う仕組みとして2000年から始まり3年ごとに見直される。2024年4月の改正で訪問介護の基本報酬引き下げにより介護事業所が倒産に追いこまれ、24年度は全国で172件(東京商工リサーチ調べ)と前年比40.9%増の過去最多の倒産となった。
「東京・生活者ネットワーク」と「NPO法人市民シンクタンクひとまち社」が行った24年7月~10月に58カ所の「訪問介護事業所の運営に関する実態調査報告」によると、人手不足は91.4%の事業所に。ヘルパーの高齢化による離職が更なる人手不足に。給料が上げられず十分に手当ても付けられない。常勤職員より非常勤職員が4倍以上と圧倒的に多い。訪問介護以外の福祉事業(障害福祉、子育て支援、行政委託事業など)も50事業者が実施。訪問介護事業だけの運営の厳しさがうかがえる。要支援(総合事業)より要介護を受けた方が収入は安定するが要支援の生活援助の要望が多い。健全な運営をすると赤字になり沢山の事業所が閉鎖を余儀なくされている。小規模事業所と大規模事業所の2極化など小規模事業所の厳しい実態が垣間見える。
小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰)より介護保険制度の状況説明があった。介護保険制度ができた当初から「社会保障審議会」を傍聴し続けてきたが改正の度に利用者負担が増え、給付の抑制が繰り返されてきた。
政府は27年の次期改正を待たず、認知症を含む「要介護1.2→総合事業(地域支援事業)へ」 ・「ケアマネジメントは現在無料→有料化へ」 ・「利用者負担は現在原則1割負担→原則2割負担へ」を検討している。25年度中にその一部が提案される可能性があり危惧している。制度への要望などは社会保障審議会へ提出すこともできる。
また訪問介護の現場から「訪問介護の人材確保は待ったなし!」「基本報酬を上げない限り介護に未来はない!」認知症の家族の会からは「利用者負担の引き上げに反対!」ケアマネージャーの立場からは、「要介護1.2の総合事業移行に反対!」と厳しい現状を訴えた。
参議院選挙戦の最中だったが、国会議員4名の参加があり訪問介護の実態や当事者の声を国会審議に要望した。
2025年は団塊の世代が全て75歳の後期高齢者となり益々訪問介護が必要となります。地域に密着型の小規模介護事業者が利用者に必要なサービスを行うには、人手不足の改善が一番です。基本報酬の引き上げと共に、全産業の月報酬に近づくよう介護職の報酬改善を強く求めます。また利用者負担の引き上げは、年金暮らしと物価高に苦しんでいる高齢者には、利用したくても利用できないことが危惧されます。「制度があってもサービスなし」とならないために、国費を投入して国民の暮らしを守る制度にすることを早急に行うよう求めます。(斉藤)