「国葬」の中止を求めます

9月27日に安倍元首相の国葬が閣議決定されました。8年7か月に及ぶ在位期間、アベノミクスによる経済の再興、多くの外国からの弔意表明などに国として応えるためと国葬の理由づけにしています。しかし、長期政権の間に貧富の格差は拡大し、国民総生産GDPは国として世界3位、一人当たりは28位(2022年7月)です。企業は富み、国民は貧しています。そして、閉会中に臨時国会開催の要求を野党がしても応じようとしませんでした。安保法制、敵基地攻撃能力の保有など、憲法を曲解し、戦争のできる国づくりを進めてきました。さらには、「森・加計・桜問題」は未解決のままです。関係者を自殺に追い込み、虚偽答弁は判明しているだけでも100回を超えています。

元安倍首相の評価は分かれるところです。だからこそ、国葬に当たっては閣議決定ではなく、国会で審議決定すべきです。憲法第14条「法の前の平等」と第19条「思想と良心の自由」に反しています。すべて国民は法の下に平等であり、反対する人にも「国葬」を押し付けることはできません。国葬にするには、主観的ではなく、多くの人が理解できる客観的な理由が必要です。

参議院選挙期間中に凶弾に倒れた元首相です。民主政治を取り戻そうと故安倍元首相を国葬にする事は、民主政治をはき違えています。国会審議を経ずなんでも閣議決定することは、民主主義による立憲政治を愚弄しています。そして、その凶弾は旧統一教会と自民党との関係を暴きだしました。霊感商法、詐欺商法といわれる社会的に問題のある旧統一教会と自民党との関わりの中心人物は安倍元首相とみられます。「選択的夫婦別姓」の法律不成立や「子ども庁」を「子ども家庭庁」への変更など政策にも関与していたとも言えます。刑事事件にもつながりそうなキーマンを断じて国葬にはできません。そして、国葬には現時点で16.6億円という多額な税金が使われます。その金額はコロナ禍で生活に困窮している人々へ届けるべきです。

私たちは、国葬という問題を一人ひとりの当事者として捉え、民主的で憲法に基づく政治が行われることを求めます。そのためには、毎日の生活から市民の声を市政へ反映していきます。海老名ネットは海老名市長へ9月13日、「国葬に市が弔意表明をしないように求める要望書」を提出しました。そして、9月19日「国葬中止を求める署名」を岸田首相へ届けます。

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