中村哲さんの生き方に学ぶ
2024年は地震で開けた。ウクライナとロシアの戦争は3年目に入ろうとしている、イスラエルとパレスチナの紛争は周辺地域を含めて激化の気配が見える。混沌とした社会のなかで、12月8日海老名9条の会が開催した中村哲DVD上映会に参加し、人の営みの本質を考えた。
中村哲はキリスト教団体の派遣医師として1986年山岳地帯の無医村の人々の病気治療にパキスタンからアフガニスタンに入った。村が生活できないほどの飢餓状態であることを知り、治療の前に人々が自活できるようにすることが第一であると考えた。戦乱と干ばつで荒れ果てたアフガニスタンで、干上がった大地に2000年から井戸を、2003年から用水路をつくるみどりの計画を立て村民と一緒に土木工事を進めた。果物・麦・花など以前の緑豊かな農業国へ戻りつつあった。しかし、計画半ば2019年12月4日、テロリストによる凶弾に倒れた。無念極まりないが、今後の維持管理を考え現地の人々が出来る工法で一緒に工事していたことで、今後も活動は継続される見通しだ。
「銃より鍬を」の実践で蘇ったみどりの大地で生活を営むことができ、「もう、銃を持たなくていい」と食い詰めて兵士になった男たちの声。人は自然に生かされているが活かすのも人間。被災地支援も住民生活に本当に必要なものは何か?の視点が基本だ。そして、その人間の英知で紛争を止めることができるのでは。相手を知り違いを認め合うことが分裂した世界での日本の役割でもあると思う。(西田)