まちづくりフォーラム「食と農のつながりと学校給食」に参加して

講師小口広太さん(千葉商科大准教授)を迎えて、持続可能な社会を実現するための食と農について学びました。

これまでの社会は、経済グローバル化により大量生産、大量消費や都市化、産業化を押し進めてきました。それにより地球環境の破壊、生物多様性の喪失、農業や農山村の衰退に繋がりました。 しかしコロナ禍により社会や経済の不安定化が露呈した現在、持続可能な社会を目指すには、地球環境や生物多様性の保全、都市と農山村の共生が重要とのことです。

有機農業は、農薬や化学肥料不使用のため生態系や土壌の保全につながり、また農産物の安全は、安心と健康につながります。日本の自給率は38% それを支えている農業従事者は、全国民1.2億人の0.9%、神奈川県は県民約922万人の0.17%です。高齢化による耕作地の維持と後継者不足が深刻です。

しかし全国では、49歳以下の新規農業者の参入が増えています。農家出身でない若者が6割を占めその内半数は独立就農者であり有機農業を選択しています。ところが生産技術の習得、独自販路の開拓、仲間作りなどの課題があります。

相模原市は、「オーガニックビレッジ宣言」都市として、国の「みどりの食糧システム戦略」を受けて有機農業が取り組みやすい環境を目指しています。

神奈川県の耕地面積約9800㏊のうち有機農業面積は6.8%、有機農業者は、約11,400軒のうち9.6%とまだまだ少なく、今までの農業が主流ですが、国は有機農業の取り組み面積を2050年までに、25%(現在0.6%)を目指しています。

持続可能な食、それは持続可能な農業政策であり地域の中で有機農業を安心して取り組める環境を整備することが大切だと分かりました。そのために生産・流通・消費が安定する必要があり消費者が有機(オーガニック)野菜に関心を持ち食べる。また地域の学校給食に地場有機農産物を取り入れることで、安定した生産や子ども達の食育にもつなげることができます。有機農業が当たり前になることが新たな農業後継者にも繋がると感じました。